はっぴーばれんたいん

従姉妹からのチョコは毎年生チョコだから、生チョコをセレクトしたんだけれど、チョコレート作りは思ったよりもワイルドでした。板チョコを包丁を使って細かく砕くところなんか、包丁が折れたかと思う感じの音がするし、結構力いるし、かぼちゃを切るときもそうなんだけど、なんか硬いものを切るときに息を止めてやる習性があって、何度も息切れしてました。そのうち面白くなってきてあっという間だったんだけど、あの作業は実にワイルドでした。で、後は生クリーム温めて、はちみつ入れて、チョコ溶かして、バットに流し込んで冷やして完成っていう、思っていたよりも簡単なんだなーと思いました。
さてさて、それなりにおいしいものができて、ちょっと甘すぎるかなーって感じだったんだけど、味は満足のいくものでした。見た目が写真に取るとチョコレートっぽくなかったんですけど。


ふっさんに写真を送るってミッションはありましたが、結局は全部自分が食べるもので、そのつもりで作っていたんですけど、たまたま夕方に友だちからスカイプで連絡があって「夕飯を食べに行こう」と誘われたので、せっかくだから作ったチョコレートをあげました。そうしたら、うまいうまい言ってくれて、ペロっとあげた分を食べてくれたんですけど、それがなんか無性に嬉しくて嬉しくて、「じゃあもっと食べる?」って結構たくさんあげちゃいました。
大学入ってから、クッキーとかプリンとかケーキとか作ってみることは何度かあったのですが、どれもこれも自分で食べるために作って自分で全部食べちゃっていたのですが、こうやって自分の作ったものを人に食べてもらって、「おいしい!」って言ってもらえることが、ものすごく嬉しいことなんだなーと思いました。


自分が前に、いいなぁって思った文章があったらメモ帳にメモするってのをやってた時期があったんですけど、Frontwingの「そらうた」ってゲームにこんなセリフが出てきまして、

「人はね、誰かに認めてもらいたがっている生き物なんです」
「だから、その人のギャグで笑うって事は、すなわちその人に『ここにいいてもいいよ』って言うことになるの」
「そうかな?」
「そうだよ。だから、たとえつまらないギャグでもね、笑ってあげられる人ってのは、貴重だよ。優しい人だよ。ほんとに面白い人は、そういう人が多いよ」

って言うのなんですけど、自分の作ったものを食べて「おいしい」って言われたことで、なんか認められたっていうか、そんな気分になって、このセリフを思い出しました。
幸せだなーって。こんなちっぽけなことなのかもしれないけど、幸せだって実感することができて、よかったなって思いました。


女の子がバレンタインデーに、一生懸命"大好き"の気持ちを溶かし込んでチョコレートを作る気持ちが、少しだけわかった気がしました。
当たり前の気持ちなのかもしれないけど、そんな気持ちを改めて感じられた、素敵な一日でした。